ボイトレをはじめたいけど、何から始めたらいいの?効果的な方法とか、あるのかな?
みなさん、こんにちは。ボーカル教室エンゲルリートの功刀です。
こちら記事では、ボイトレにご興味があるあなたに、現役ボイトレ講師が実際のレッスンで行っているボイトレ方法をご紹介していきます。ボイトレの下準備~呼吸法ですので是非ご活用くださいね!
私が実際に行っているボイトレ手順を書いていきますが、必ず注意して頂きたいことがありますので、まずはこちらの歌の上達に関する記事をご一読ください。上達するために重要な事を書かせていただいています!
簡単にまとめると、基本のボイストレーニングでも個々に合わない方法があるということ、そして間違った独自練習により変な癖がついてしまうと、矯正に時間がかかってしまうことがある等の内容のお話です。では、早速はじめていきましょう!
必読!ボイストレーニングを始める前の準備
マニュアル通りは危険です!
今はネットをはじめ、たくさんのマニュアルはあるので挑戦して頂きたいのですが、それが正しいかどうかをまずは信頼できる先生に見ていただき、コツを掴んでから自己練習をすることをオススメします。
ボイトレの前に準備する4項目
ボイストレーニングを始める前の事前準備は4つです。
- 動きやすい服装
- 飲み物
- 全身鏡
- 元気な身体
1つ目の服装ですが、腰回りのゆったりした動きやすいものをオススメします。足元は素足、または履き物を履く場合はスニーカ等、動きやすいものが良いでしょう。
2つ目は飲み物の準備です。普段の会話などでは使わない喉の部分を使うので、こまめに水分をとるようにしましょう。ご自身が良いと思うベストドリンクで大丈夫です!ご自身のベストドリンクがわからない場合は、常温のお水を用意しましょう。
3つ目は鏡です。
全身が映るような鏡が良いです。全身のバランスを見ながらトレーニングしていきます。
最後の4つ目が、元気な身体です!もし体調が優れないときは無理をせず、トレーニングを控えることも大切ですのでコンディションの良いときにしましょうね。
身体をほぐすストレッチで自然体に
まずはストレッチからはじめましょう
では早速、ボイストレーニングを始めましょう!自然な発声のため、まずは身体をほぐします。立ったままで行っていただいて構いません。下記のいずれの項目も、無理に伸ばさず気持ちのいいところで止めてくださいね。
- 左右の両腕を伸ばす
- 左右腰の筋を伸ばす
- 前屈・後屈
- 首を左右前後に伸ばす
- 首を左右に3回ずつ回す
- 肩を3回上げ下げする
上記が実際のレッスンで行っているストレッチです。簡単なものではありますが、時間があるときは床面も利用して開脚を行ったり、入念にストレッチをしたほうがリラックス効果もあり良いでしょう。
見栄えも声もランクアップする美しい姿勢
歌う時の立ち方は、とても重要!
歌うトレーニング時の姿勢は、美しくまっすぐ立ちます。正しくまっすぐ立つことは、この後のトレーニングにも影響があるので必須です!では、美しい立ち姿勢をご紹介しましょう。
- 腰骨から上半身を脱力して、ゆっくり下にぶらりと垂れ下げます。
- 縦横に揺れてみて、全身が脱力しているのを確認します。この時、首の後ろが脱力していないことが多いので注意してください。
- 脱力できたことを確認したら、一番下の背骨から頭のてっぺんまで、積み木が下から一つずつ重なるイメージで、ゆっくり起き上がってきます。
- リラックスした状態で真っ直ぐ立ち上がったら、足を肩幅に広げて両腕は自然な状態で垂らます。
- 最後に頭のてっぺんが天井から糸で吊られて、引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばします。
上半身を脱力することで自然な発声になります。また、身体や喉に負担をかけることなく、呼吸や発声のトレーニングができるようになります。
また、この段階で立ち方の癖がある場合は矯正して正しい姿勢に直していきます。姿勢のクセで多く見受けるのは、首が前に落ちてしまっていたり、猫背になってしまっていたり、腰が前に出すぎている等という点です。
美しい姿勢を保つポイントは、腹筋で支えて立つことです。
歌う時以外でも役立つ、美しい姿勢
この美しい姿勢は、日常生活から癖をつけておくと良いでしょう。
最初は疲れるかもしれませんが、必ず慣れます。人前に立つことがあったり、オーディション等の場面でも、姿勢がよい方が見栄えも良く、自信があるように見えます。無理せず、日常生活にも取り入れてみてくださいね。
正しい腹式呼吸で、芯のある歌声に!
腹式呼吸と胸式呼吸の違いと実践方法
次に呼吸法をご紹介しましょう。
まずは、腹式呼吸と胸式呼吸の違いをご説明します。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、歌う時の呼吸は「腹式呼吸」を使います。私たちが普段の生活で無意識にしている呼吸は「胸式呼吸」です。腹式呼吸と胸式呼吸の違いは、肺の膨らませ方が異なるイメージです。下記を参考にしてみてください。
- 胸式呼吸肺が、前・上方向に僅かに膨らむ。短く浅い呼吸
- 腹式呼吸肺が、下方向に広く大きく膨らむ。長く深い呼吸
腹式呼吸はトレーニングで習得できます。
ヨガなどで腹式呼吸が使用されているようにリラックス効果もあります。
歌唱時に腹式呼吸を使うメリット
歌うときに腹式呼吸を推奨する理由は、次の通りです。
歌うときの呼吸法については様々な意見がありますが、私の経験上では下記に記した腹式呼吸を推奨し、実施しています。
- 広く下方向に肺を膨らませる事により、胸式呼吸よりも空気を取り入れるスペースが多くできるので、余裕をもって長いメロディーにも対応できる。
- トレーニングを重ねることにより、短いブレス(息を吸う事)で素早く多くの空気が吸えるようになる。
- 息が上がりづらく、安定した歌唱になる。
- 上半身の力が抜けて自然な声が出せる。
- お腹に力が入れやすくなることで支えがしっかりして、芯の通った声が出せる。
腹式呼吸のやり方
腹式呼吸はシンプルに見えて、とても難しい呼吸法です。
正しく自然な腹式呼吸が身に付くまでは、必ず指導の下でトレーニングを行ってください。また、全身鏡を見ながら、身体の動きをチェックしながら行いましょう。
- 正しくまっすぐ立ち、利き手をおへその下の下腹部に当てます。もう一つの手は腰に添えておきます。
- まず、お腹だけを膨らませてみます。おへその下に当てた下腹が、一番高くなるように膨らませます。次に、腹筋に力を入れながらへこませていきます。何度か繰り返し、お腹の動きを確認します。
- 次に呼吸をつけてみます。下腹部を膨らませながら、鼻からゆっくり、たっぷりと息を吸い込み、息を止めます。上半身や首は常に脱力していて、どこにも力が入っていない自然な状態を意識しましょう。
- たくさん息を吸い込んだ状態を確認します。
- 次に口からゆっくり息を吐きます。下方向に腹筋に力を入れながら、お腹の一番下から息を送るイメージで、ゆっくり長く吐き切ります。常にお腹に力を入れて支えます。上半身は常に脱力しています。
- お腹を緩めると同時に3に戻り、腹式呼吸に慣れるまで繰り返します。
必ず鼻から吸って、口から吐く
腹式呼吸のトレーニングでは、必ず鼻から息を吸って、口から息を吐いてください。理由は、喉を乾燥させないためです。
空気が汚れていたり、空気中の微細なゴミやホコリが喉に入ってしまうとむせてしまいますので、それらを避けるためでもあります。
また、口から空気を吸うとブレスの音が大きくなったり、浅い胸式呼吸になりやすくなります。最初はブレスに時間がかかっても構いませんので、静かにゆっくり鼻から吸ってください。
もちろんトレーニング以外でもできるだけ意識してやってみたほうがいいのですが、ブレスの位置や時間の関係上、口で吸うことも多いかと思いますので、ボイトレ以外では、必ずではないということだけ覚えておいてください。
最初は難しいかもしれませんが必ず慣れますので、正しい指導の下で是非マスターしてみてくださいね。
実は、腹式呼吸は誰でもやったことがある!?
文字で読んでみると難しい腹式呼吸に思えますが、実は皆さんも実生活で腹式呼吸をしている時があります。
それは、仰向けに寝ている時、腹式呼吸になっているのです。
今晩、寝るときに確認してみてください。仰向けに寝て、下腹に手を添え、ゆっくり呼吸してみましょう。お腹が膨らんで、へこむはずです。ただ、寝ていると自然な腹式呼吸ができるのですが、立ってやるのが難しいのです。初期段階や、やり方が解らなくなったときは、寝ながらのトレーニングもしてみることをオススメします!
いかがでしたでしょうか?
今回はボイトレの準備から、腹式呼吸のやり方までをご紹介しました。次回は、いよいよ呼吸のトーレーニングや発声に入っていきますので、楽しみにお待ちくださいね!
今回もお読みいただき、ありがとうございました。